「このままでは家がつぶれる」と言われたら、それが警戒のサインです
シロアリは、訪問販売の口実として公的機関の説明にも名指しで挙げられている分野です。 床下は住んでいる人が自分で確認しにくいため、「見てあげる」と言われると断りづらく、 指摘された内容の当否も判断できません。手口を先に知っておくのがいちばんの対策です。
1. 警察が説明している手口
北海道警察は、点検商法を次のように説明しています。
「『点検に来ました』等と家庭を訪問し、『床下が湿気でひどい』、『シロアリの被害がある』、 『このままでは、家がつぶれる』などと言って不安をあおり、商品を売りつけたり、 高額な工事契約を締結させる商法。」
警視庁も、床下点検のあとに「土台の木が腐っており、工事が必要」と告げて 不必要または法外な価格の工事を契約させる手口を挙げています。 裏を返せば、この言い回しで不安をあおられること自体が、警戒すべきサインです。
出典: 北海道警察「悪質商法の被害にあわないために」/ 警視庁「点検商法」2. 相談は増えています
全国の消費生活センター等に寄せられた「点検商法」の相談件数は、次のように推移しています。
※ この件数は屋根・外壁・給湯器なども含む点検商法全体の数字で、 シロアリ単独の件数ではありません。また「相談件数」であって被害件数・被害総額ではなく、 消費生活センター等からの経由相談は含まれません(2025年5月31日現在の登録分)。 出典: 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」
3. 実際に公表されている事例
茨城県の消費生活センターが2024年6月に公表した注意喚起には、次の相談が紹介されています。
「以前、屋根を直した者だが、屋根を見てあげる」と訪問してきた業者が、 「屋根は問題ないが、床下は危ない」と言って部屋の畳を勝手にあげ、床下の点検を開始。 「シロアリ駆除をしたほうがいい」と勧められ「検討したい」と伝えたにもかかわらず、 業者は殺虫剤を撒き始め、作業終了後に高額な契約書を書かされた——という内容です。
検討中と伝えても作業を始めてしまう、というのがこの事例の要点です。 点検を受けること自体が、契約への入口になりえます。
出典: 茨城県「消費生活緊急情報 第91号」(2024年6月) ※ 県が発行した注意喚起1本を、県内の複数の市町村が転載しているものです。4. 勧誘トークの4つの型
国民生活センターは、点検商法の勧誘トークを次の4類型に整理しています。
出典: 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)
5. 守るべき3つのこと
6. 契約してしまったときのクーリング・オフ
訪問販売にあたる契約なら、クーリング・オフ(無条件での契約解除)ができます。 要件を正確に知っておいてください。
出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」/ 国民生活センター 消費者トラブルFAQ
7. 相談できる窓口
8. 離れて暮らすご家族へ
点検商法をきっかけとしたリフォーム工事等の契約当事者は、 70歳代31.6%、80歳代27%、60歳代20.6%、90歳以上2.6%と、60歳以上が約8割を占めていました。 国民生活センターは、高齢者が「お金」「健康」「孤独」という3つの不安を抱えやすく、 悪質業者がそこにつけ込むと指摘しています。
「点検に来た人には、その場で返事をしないで一度こちらに電話して」と あらかじめ共有しておくだけでも違います。実家の床下が気になるなら、 家族が立ち会える日に、自分たちで選んだ業者に調査を依頼するのが安全です。
※ この年代構成は点検商法をきっかけとしたリフォーム工事等の全体の統計で、 シロアリ単独の数字ではありません。出典: 国民生活センター(2018年3月1日公表)