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点検商法

「このままでは家がつぶれる」と言われたら、それが警戒のサインです

シロアリは、訪問販売の口実として公的機関の説明にも名指しで挙げられている分野です。 床下は住んでいる人が自分で確認しにくいため、「見てあげる」と言われると断りづらく、 指摘された内容の当否も判断できません。手口を先に知っておくのがいちばんの対策です。

1. 警察が説明している手口

北海道警察は、点検商法を次のように説明しています。

「『点検に来ました』等と家庭を訪問し、『床下が湿気でひどい』、『シロアリの被害がある』、 『このままでは、家がつぶれる』などと言って不安をあおり、商品を売りつけたり、 高額な工事契約を締結させる商法。」

警視庁も、床下点検のあとに「土台の木が腐っており、工事が必要」と告げて 不必要または法外な価格の工事を契約させる手口を挙げています。 裏を返せば、この言い回しで不安をあおられること自体が、警戒すべきサインです。

出典: 北海道警察「悪質商法の被害にあわないために」/ 警視庁「点検商法」

2. 相談は増えています

全国の消費生活センター等に寄せられた「点検商法」の相談件数は、次のように推移しています。

2022年度 8,166件
2023年度 12,550件
2024年度 19,215件

※ この件数は屋根・外壁・給湯器なども含む点検商法全体の数字で、 シロアリ単独の件数ではありません。また「相談件数」であって被害件数・被害総額ではなく、 消費生活センター等からの経由相談は含まれません(2025年5月31日現在の登録分)。 出典: 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」

3. 実際に公表されている事例

茨城県の消費生活センターが2024年6月に公表した注意喚起には、次の相談が紹介されています。

「以前、屋根を直した者だが、屋根を見てあげる」と訪問してきた業者が、 「屋根は問題ないが、床下は危ない」と言って部屋の畳を勝手にあげ、床下の点検を開始。 「シロアリ駆除をしたほうがいい」と勧められ「検討したい」と伝えたにもかかわらず、 業者は殺虫剤を撒き始め、作業終了後に高額な契約書を書かされた——という内容です。

検討中と伝えても作業を始めてしまう、というのがこの事例の要点です。 点検を受けること自体が、契約への入口になりえます。

出典: 茨城県「消費生活緊急情報 第91号」(2024年6月) ※ 県が発行した注意喚起1本を、県内の複数の市町村が転載しているものです。

4. 勧誘トークの4つの型

国民生活センターは、点検商法の勧誘トークを次の4類型に整理しています。

訪問・点検のきっかけをつくる ── 「近くで工事している」「以前おうかがいした業者です」
不安をあおる ── 「このままでは危ない」「早くしないと手遅れになる」
負担が軽くなると思わせる ── 「いまなら割引」「モニター価格」「保険が使える」
次々に違う工事を勧める ── 床下から基礎補強、換気扇、屋根へと広がっていく

出典: 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)

5. 守るべき3つのこと

突然の訪問業者に点検させない断ってよい
国民生活センターも「『点検させてほしい』と訪問してくる業者には応対しないようにしましょう」と 助言しています。床下に入られてしまうと、そこで何を言われても検証できません。
その場で契約しない・払わない持ち帰る
急かされても、いったん保留にして家族や周囲に相談してください。 複数社から見積もりを取り、内容と金額を比べてから決めれば十分です。 比較の機会を奪おうとする業者とは契約しないでください。
自分で選んだ業者を呼ぶ主導権を持つ
床下が気になるなら、訪問を待つのではなく自分から調査を依頼するのが確実です。 業者選びの基準は各ページの §12 と 料金相場の解説 にまとめています。

6. 契約してしまったときのクーリング・オフ

訪問販売にあたる契約なら、クーリング・オフ(無条件での契約解除)ができます。 要件を正確に知っておいてください。

起算日は「契約日」ではありません ── 法定の契約書面を受け取った日から数えて8日以内です
書面をもらっていない・記載に不備がある場合、8日の期間は進みません ── いつでも解除できます
通知は書面のほか、メール等の電磁的方法でもできます(2022年6月以降)
すでに工事が行われていても、無償で元どおりにするよう求められます
8日を過ぎても、事実と違う説明で契約させられた場合は取消しできることがあります (気づいてから1年、契約から5年)

出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」/ 国民生活センター 消費者トラブルFAQ

7. 相談できる窓口

消費者ホットライン188
お住まいの市区町村・都道府県の消費生活センターにつながる、全国共通の3桁の番号です
警察相談専用電話#9110
緊急ではないが警察に相談したいとき。緊急の場合は110番です
日本しろあり対策協会 消費者相談窓口03-3354-9891
施工内容そのものについての相談。全国8地域の連携団体でも受け付けています

8. 離れて暮らすご家族へ

点検商法をきっかけとしたリフォーム工事等の契約当事者は、 70歳代31.6%、80歳代27%、60歳代20.6%、90歳以上2.6%と、60歳以上が約8割を占めていました。 国民生活センターは、高齢者が「お金」「健康」「孤独」という3つの不安を抱えやすく、 悪質業者がそこにつけ込むと指摘しています。

「点検に来た人には、その場で返事をしないで一度こちらに電話して」と あらかじめ共有しておくだけでも違います。実家の床下が気になるなら、 家族が立ち会える日に、自分たちで選んだ業者に調査を依頼するのが安全です。

※ この年代構成は点検商法をきっかけとしたリフォーム工事等の全体の統計で、 シロアリ単独の数字ではありません。出典: 国民生活センター(2018年3月1日公表)

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