工法の比較
バリア工法とベイト工法、どちらを選ぶか
シロアリの防除には大きく2つの工法があります。どちらが優れているという話ではなく、 建物の状況・予算・家族構成で向き不向きが変わります。判断材料を整理しました。
1. 2つの工法のしくみ
バリア工法(薬剤処理)坪6,200〜8,300円
床下の木部に薬剤を吹き付け・塗布し、土壌にも薬剤を処理して、
シロアリが建物に近づけない「帯」を作る工法です。
いま建物にいるシロアリを直接叩けるので即効性があります。
公益社団法人 日本しろあり対策協会は、この土壌処理と木部処理を防除の基本と位置づけています。
ベイト工法(毒餌)坪9,300〜12,000円
建物の周囲に餌の入った設置容器(ステーション)を埋め、
シロアリに巣へ持ち帰らせてコロニー全体を弱らせる工法です。
協会は、ベイト工法を「従来工法の約千分の一の薬剤使用量で環境への流失がない閉鎖系」と
説明しています。
2. 6つの観点で比べる
初期費用バリアが安い
ベイト工法はバリア工法のおよそ1.5〜2倍。30坪だと10万円前後の差が出ます
その後の費用ベイトは継続
ここが見落とされがちです。ベイト工法は設置して終わりではなく、
定期的な点検と薬剤の補充が続きます。数年単位の総額で比べてください
効果が出るまでバリアが速い
バリア工法は処理した時点から効きます。ベイト工法は巣に行き渡るまで数カ月かかります。
すでに食害が進んでいて早く止めたい場合はバリア工法が向きます
薬剤の量ベイトが少ない
床下に薬剤を撒かないため、においや室内環境が気になる場合の選択肢になります。
小さなお子さん・ペット・化学物質に敏感な方がいるご家庭で検討されることが多い工法です
床下に入れるか条件次第
床下が低い・点検口が無いなどでバリア工法の施工が難しい建物では、
屋外に設置するベイト工法が選ばれることがあります
再処理の目安5年が目安
協会の防除施工標準仕様書は「五年を目途に再処理をする」と定めています。
これは認定薬剤の有効期間が5年とされているためです(次の項目で説明します)
3. なぜ「5年」なのか
多くの業者が5年保証を付けているのは、業界の慣習ではなく理由があります。 日本しろあり対策協会は公式Q&Aで、 「5年を超えて長期間有効な薬剤は環境によくないと考えており、認定薬剤の有効期間を5年としている」 と説明しています。つまり環境への配慮から、あえて5年で切れる薬剤しか認定していないということです。
「5年で薬が切れるから家が危険になる」という説明は正確ではありません。 5年経ったら必ず被害が出るわけではなく、協会も 確実な予防のために再処理を推奨しているという書き方をしています。 不安をあおられたら、いったん持ち帰って判断してください。
4. 条件別の選び方
すでに被害が出ていて、早く止めたい → バリア工法が向きます
初期費用を抑えたい → バリア工法
小さな子ども・ペットがいて、床下への薬剤散布を避けたい → ベイト工法を検討
床下が低い・点検口が無く、床下作業が難しい → ベイト工法を検討
数年単位の総額で判断したい → ベイトの管理費を含めた見積もりを出してもらう
迷っている → 両方の見積もりを出してもらうのがいちばん確実です
5. 業者に確認しておきたいこと
- 使用する薬剤は、協会の認定薬剤か
- しろあり防除施工士が施工にあたるか(協会が認定する専門資格です)
- ベイト工法の場合、その後の管理費が年いくらか、いつまで続くか
- 保証の期間・範囲と、再発したときの対応が保証書に書かれているか
出典: 公益社団法人日本しろあり対策協会「シロアリ防除の方法」/ 同「保証は5年となっていますが、なぜなのですか」/ 同「5年経ったら必ず再施工しなければならないのでしょうか」。費用の目安は 料金相場の解説 と同じ数字です。