自分でできることと、できないこと
各ページの §09 で挙げている項目について、どこまでが自分の範囲で、どこからが専門の領域かを書きました。 できないことはできないと書いています。
1. 項目別の向き・不向き
ポイント:見るのは「土でできたトンネル状の筋(蟻道)」。植木鉢やエアコン室外機の裏は死角になりやすいので、動かして確認します。
ポイント:換気口の前に物置や自転車、植木を置いてふさいでいる家は少なくありません。国交省の調査でも、基礎外周の換気口が多いほど蟻害が少ない傾向が示されています。
ポイント:地面と直接触れているものは餌になり、そこから建物へ近づく足がかりになります。家の外壁際に積まないこと。
ポイント:羽・触角・胴のくびれが写っていないと判別できません。日時と場所も控えておきます。詳しくは羽アリの見分け方へ。
ポイント:土の中や壁の中にある巣そのものには届きにくく、巣は残ります。むしろ薬剤を嫌って移動し、被害の場所が分散することがあります。
ポイント:床下に潜っての全面処理は、薬剤の扱いと施工方法の知識が要ります。協会が認定する「しろあり防除施工士」という専門資格があります。
2. 自分で見るときのチェックリスト
床下に潜る必要はありません。家のまわりを一周するだけでも、かなりのことが分かります。
3. 点検の頻度の目安
国土交通省の補助事業として全国5,322棟を調べた調査では、床下の蟻害の発生割合は 防蟻保証の期間内が0.5%、保証切れが6.2%でした。保証期間内でも築10年以上になると 4〜6%に上がり、保証が切れた建物は築年数とともに増えていきます。
協会の防除施工標準仕様書は「五年を目途に再処理をする」と定めています。 これは認定薬剤の有効期間が5年とされているためで、 5年経ったら必ず被害が出るという意味ではありません。 前回の施工から5年を過ぎたら、点検を検討する時期、と考えてください。
出典: 国土交通省補助事業「シロアリ被害実態調査報告書」(2013年3月・調査棟数5,322棟)/ 公益社団法人日本しろあり対策協会「5年経ったら必ず再施工しなければならないのでしょうか」
4. やってはいけないこと
蟻道を崩す・穴に殺虫剤を撒き込む
蟻道を見つけると崩したくなりますが、通り道が消えても巣は残ります。 同じように、羽アリが出てきたすき間に殺虫剤を撒き込むと、 薬剤を嫌ったシロアリが別の場所へ移動して、被害の場所が分散して分かりにくくなることがあります。
調査の前に現場を動かしてしまうと、正確な状況がつかめません。 見つけた状態のまま写真を撮って、そのまま見てもらうのがいちばんです。
5. 専門業者に見てもらう目安
次のいずれかに当てはまるときは、床下の状況を確認してもらってください。
- 室内や玄関まわりで羽アリが出た(見分け方はこちら)
- 基礎や束石に土でできた筋(蟻道)がある
- 床がふかふか沈む・きしむ場所がある
- 柱や敷居を叩くと軽い空洞音がする
- 浴室や玄関まわりの木部がやわらかい
- 前回の防蟻処理から5年以上経っている
ふだんから自分で外周を見ておくと、突然訪ねてきた業者に「床下が危ない」と言われたときにも、 落ち着いて判断できます。訪問業者への対応は 点検商法の見分け方 にまとめました。 工法の選び方は バリア工法とベイト工法の比較 をご覧ください。