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自分でできる対策

自分でできることと、できないこと

各ページの §09 で挙げている項目について、どこまでが自分の範囲で、どこからが専門の領域かを書きました。 できないことはできないと書いています。

大前提として、シロアリ対策は「見つけたら叩く」ではなく「呼ばない・早く気づく」です。 目に見えるところにいる個体を退治しても、巣は土の中や壁の中に残ります。 湿気をためない・餌を置かない・定期的に見る、という地味な3つが、いちばん確実な自衛です。

1. 項目別の向き・不向き

基礎まわりを一周して見る ◎ 自分でできる
やり方:月に一度、家のまわりを歩いて基礎と束石を見る
ポイント:見るのは「土でできたトンネル状の筋(蟻道)」。植木鉢やエアコン室外機の裏は死角になりやすいので、動かして確認します。
湿気をためない ◎ 自分でできる
やり方:床下換気口の前を空ける/雨漏り・水まわりの漏れを直す
ポイント:換気口の前に物置や自転車、植木を置いてふさいでいる家は少なくありません。国交省の調査でも、基礎外周の換気口が多いほど蟻害が少ない傾向が示されています。
木材・段ボールを地面に置かない ◎ 自分でできる
やり方:古材・薪・端材・濡れた段ボール・庭の切り株
ポイント:地面と直接触れているものは餌になり、そこから建物へ近づく足がかりになります。家の外壁際に積まないこと。
羽アリを見たら記録する ○ 自分でできる
やり方:写真を撮り、数匹をテープで保管する
ポイント:羽・触角・胴のくびれが写っていないと判別できません。日時と場所も控えておきます。詳しくは羽アリの見分け方へ。
市販の殺虫剤・スプレー △ 応急にとどまる
やり方:目の前に出てきた個体をその場で減らす
ポイント:土の中や壁の中にある巣そのものには届きにくく、巣は残ります。むしろ薬剤を嫌って移動し、被害の場所が分散することがあります。
床下の土壌処理・木部処理・ベイト設置 専門業者の領域
やり方:(自分では行わない)
ポイント:床下に潜っての全面処理は、薬剤の扱いと施工方法の知識が要ります。協会が認定する「しろあり防除施工士」という専門資格があります。

2. 自分で見るときのチェックリスト

床下に潜る必要はありません。家のまわりを一周するだけでも、かなりのことが分かります。

基礎の立ち上がり ── 土でできた細いトンネル状の筋(蟻道)が縦に伸びていないか
束石・玄関の上がり框 ── 被害が集中しやすい場所です(国交省調査で玄関まわりは13.5%余り)
床下換気口 ── 物でふさいでいないか。網が破れていないか
浴室・洗面の床 ── 踏むと沈む、きしむ場所がないか。とくに在来工法の浴室
ウッドデッキ・濡れ縁の下 ── 地面に近い木部は要注意
庭の切り株・置いた木材 ── 崩してみて、内部が食べられていないか

3. 点検の頻度の目安

国土交通省の補助事業として全国5,322棟を調べた調査では、床下の蟻害の発生割合は 防蟻保証の期間内が0.5%、保証切れが6.2%でした。保証期間内でも築10年以上になると 4〜6%に上がり、保証が切れた建物は築年数とともに増えていきます。

協会の防除施工標準仕様書は「五年を目途に再処理をする」と定めています。 これは認定薬剤の有効期間が5年とされているためで、 5年経ったら必ず被害が出るという意味ではありません。 前回の施工から5年を過ぎたら、点検を検討する時期、と考えてください。

出典: 国土交通省補助事業「シロアリ被害実態調査報告書」(2013年3月・調査棟数5,322棟)/ 公益社団法人日本しろあり対策協会「5年経ったら必ず再施工しなければならないのでしょうか」

4. やってはいけないこと

蟻道を崩す・穴に殺虫剤を撒き込む

蟻道を見つけると崩したくなりますが、通り道が消えても巣は残ります。 同じように、羽アリが出てきたすき間に殺虫剤を撒き込むと、 薬剤を嫌ったシロアリが別の場所へ移動して、被害の場所が分散して分かりにくくなることがあります。

調査の前に現場を動かしてしまうと、正確な状況がつかめません。 見つけた状態のまま写真を撮って、そのまま見てもらうのがいちばんです。

5. 専門業者に見てもらう目安

次のいずれかに当てはまるときは、床下の状況を確認してもらってください。

ふだんから自分で外周を見ておくと、突然訪ねてきた業者に「床下が危ない」と言われたときにも、 落ち着いて判断できます。訪問業者への対応は 点検商法の見分け方 にまとめました。 工法の選び方は バリア工法とベイト工法の比較 をご覧ください。

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